環境開発工業株式会社 Create the Future

お知らせ

コラム

汗と涙の結晶がパワーストーンに変わるまで

業務部 業務2課 課長 斎藤 晃満

朝から何だが体に違和感、いつもと何かが違う・・・便秘?いや、基本快便な僕は気のせいだと言い聞かせ普通に出社した。そして、僕の仕事の相棒であるバキューム車に乗り込み、登別方面へと車を走らせた。だが、どうにも朝から感じた違和感は拭えず、高速道路のSAやPAの看板が見えるたびにトイレに立ち寄るもスッキリするどころか、背中から発せられる倦怠感と痛みを感じ始めた。
それでも気のせいだと呪文のように自分に言い聞かせ、仕事の使命感とともに廃油の回収先へ向かった。何とか痛みを堪えながらも目的地に向かい、無事に1軒目の回収を終えた。その安堵感からか、耐え難い痛みが瞬く間に襲い、激痛が駆け抜け始めた。さして、気温も高くないこの時期に滝のような脂汗が噴き出し、いい歳したオッサンの僕でも涙が出るほどに激痛が増す。
それでも、次のお客様のところに向かわなければならないという更なる使命感を抱えながら、まずは一旦コンビニに駐車して痛みが引くのを待ってみようと留まって見てみたものの一向に収まる気配がない。「もう、ダメだ・・・」
痛みで意識が朦朧とする中、「会社に戻ろう」と再び車を走らせていた。ここは登別・・北広島の会社までたどり着くのに、高速に乗っても2時間超。
この時間なら「ガマン出来る」「ヤレば出来る」と、痛みでバグった思考状態で謎に生まれた痛みへの向き合い方で高速道路に入り、走ること30分が経過した頃、動物侵入によって区間通行止めを知らせる電光掲示板が現れる。「弱り目に祟り目」とはこのことなのか、苫小牧西ICで強制的に高速を降ろされ、一般道を走らざる得なくなった。赤信号で止まるたびに激痛が襲い、目も霞んできた。
とにかく早く会社に戻って、相棒のバキューム車を置いて早々に病院に行こうととにかく車を走らせた。そして、またもや謎の思考を発動させ、通常開通している苫小牧中央ICからまた高速に入ったものの、僕の心身の充電残量は5%以下、せっかく乗った高速を1区間で降り、ETCを通過後、自ら救急車を呼んだ。その間、上司にも連絡をし、社内にいる大型免許所持者へ相棒の引取りを依頼した。「相棒よ、無事おうちに帰るんだよ」なんて優しい言葉なんてかけられる余裕もなく、僕も搬送され、やっとの思いで病院に到着。そこで告げられたのは、僕の汗と涙の結晶で作られた「尿管結石」という代物だった。当社でもこの尿管結石を患った社員はそこそこ存在するが、僕のように入院して手術を受けたケースは珍しいみたいだ。何せその結石は、僕の体内から絶対出てやるものかと言わんばかりに腎臓に突き刺さっており、否応でも手術を余儀なくされる状態であったのだ。そんな状態だったにも関わらず無駄に激痛と戦い、それに加え思考力が低下していく中、運転を続け、危うく一歩間違えば大事故を起こしていたかもしれないのだ。(改めて考えてみるとゾッとする・・)

そんな経験を通じて気づけたこととは・・
己の心身が健康でなければ、仕事のパフォーマンスや生産性向上に繋がらないということだ。何より、公私ともども健やかに日々過ごすことが出来てこその賜物なのだろう。

今後、僕の汗と涙の結晶で現れる石が誕生するのであれば「結石」ではなく「パワーストーン」となってくれることを切に願うばかりである。