お知らせ
社会貢献と自分のちょうど良い関係
オイルリサイクル部 課長 古庄 親利
2008年に「ふるさと納税」なる制度が登場してから早16年。すっかり定着し、毎年年末近くになるとテレビや新聞、ネットでも「ふるさと納税」を見聞きする。地方創成を掲げて都会に居ながらも自分の故郷やゆかりのある土地に寄付という形で還元できる制度であり、専用サイトで様々な返礼品から寄付したい市町村を選択したり、またふるさと納税を通じて被災地支援を行ったり、今まで知らなかった地域を知ることも出来る。そんなことはずいぶん前から知ってはいたが、実際この制度に着手するのは昨年末が初めてだった。
ではなぜふるさと納税をしようと思ったのか・・・それは、福島県原子力発電所からの処理水を放出したことで中国が日本の海産物輸入禁止措置をし、漁業関係者が困っているとの報道を目にしたからだ。少しでも自分に何かできないものかと考えた時、ふるさと納税という仕組みを利用することで支援し、かつ自分にも利がある。互いのWinWinが生まれるということがきっかけだった。
(と、同時にふるさと納税のルールが昨年10月より見直しされるとのことで、駆け込みで行ったことは言うまでもないが・・)
では、自身の「ふるさと納税元年」はというと
- 北海道産貝柱1kg
この取組みを始めようと思ったきっかけの品で、粒も大きく、あっと思うほどの量があり満足感に浸った。 - 味付けジンギスカン 3kg
私の出身地である全国的にも知名度のある滝川市の松尾ジンギスカン。子供の時から食べている 懐かしい味を堪能した。 - 牛タン 1kg
古庄の本家がある熊本県にも寄付をした。牛タン=仙台のイメージが強く、熊本の牛タンに興味が湧き、申し込んだ。もちろん美味しく堪能した。 - デミグラスソースハンバーグ20個
特にゆかりのない地域ではあったが、ネットサイトのビジュアルに惹かれ申込み。レトルトとは、ちょっと違う肉の触感もあり美味しかったが、デミグラスソースが濃く、しばらく食べたいと思わず冷凍庫のスペースをしばらく占領していた。
このふるさと納税元年はすべて食品だったが、次回は日用品や体験、そして被災地復興など、この制度を通じて支援したいと思っている。
制度を利用して感じたことは、寄付した後の確定申告が面倒でこの制度を利用したことがない人もいるようで、実際私もそのひとりであり、寄付した金額が全額控除されるわけではないが、利用しないと損するような気がする。年々税金や物価が上昇する中、少しでも生活の足しにでもなればという思いで、この制度の他に利用しているのが、ネットのフリーマーケットだ。家に眠っている不要な物を単純に捨てるのではなく、他の人に活路を見出してもらおうと始めている。自分自身では価値を見出せなくなった物であっても、新たな価値を見出し、「こんなものでも?」と思うが、意外と高く売れる事ある。まさに廃棄物にする前の救命措置を実践しているのだと我ながら思う瞬間だ。
しかし、幾度と人の手に渡っても誰も価値観を見出せなくなる時はやってくるだろう。そんな時、必要とされるのが当社の事業である。前項に記したように誰もが見向きもしない、もしくはそのまま放置すると環境汚染に直結しかねない廃棄物となったものを再び、新たな命を吹き返し、必要なものとして蘇らせる。
私は当社の創業のきっかけとなった廃油を再生重油として蘇らせる使命をうけ、工場を操業している。
廃棄物由来から製造されている再生重油は、実質CO2ゼロとして報告できるため、年々需要が増えている。しかし、原料は交換後の自動車のエンジンオイルや機械等から発生する潤滑油だ。廃棄物の発生にも限りがあり、特に自動車の性能向上や電気自動車が普及する中、将来的には排出量も下降していくだろう。特に廃棄物の抑制が叫ばれる中、再生重油に限らず廃棄物を主業としている当社の事業は、常に新たなことを模索していかなければ事業継続が危うくなるのだ。昨今環境事業はようやく世間からなくてはならない業態だと認められつつあるが、一般的にはまだまだ知名度の低い業態の一種でもある。しかし、人や企業が増えれば、廃棄物があふれかえり、それを誰かがやらなければ世界屈指の美観や清潔に保たれている日本の良さも崩壊する。本年で軽減措置が解除される運送業の働き方改革でドライバー不足かつ高齢化も当社事業の根幹を揺るがしているひとつだ。誰かが回収をし、それを処分、再生する。このことを永続させなければ社会機能が崩壊する。その機能を崩壊させない役割を担う者として、変革への対応力と次世代に繋ぐことを考えて日々取り組んでいる。