環境開発工業株式会社 Create the Future

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環境開発的多様性

環境リサイクル部 主任  生田目(なまため)啓太郎

「君は運動部に居たから業務だね」
今から19年前、当時の総務課長に言われた言葉である。私の高校時代は無気力で何をやっても自信がなく、社交性もなかった。何となく専門学校に進学を希望したが、父に「勉強しない奴が学校行ってどうする?」と言われ、何も言い返せず就職活動を開始した。
そして、私は高校3年生の時に母校と縁のあった環境開発工業の見学にやって来た。当時の業務部長に会社を案内して頂き「まだまだ会社の規模は小さいが、やっている事はどこにも負けない」と言われ、その力強い言葉に感銘を受け、入社を決めた。
高校生の私は何となく今後発展する業界かな?としか考えておらず、一度は見学したものの詳しい業務内容は入ってみるまで理解していなかった。いや、さして考えていなかったかもしれない。
最初の配属先での業務内容は4tバキューム車での廃油回収である。普通自動車の運転免許証を取得したのは入社日の1ヶ月前。運転技術が未熟で実家の平岸から北広島までの通勤もおっかなびっくり。当時中古の16万で買った自家用車のシビックはぶつけまくってガムテープのつぎはぎだらけ。会社の誰もが「あいつにトラック乗せるのか?」と思ったはずである。
それもそのはず・・・私はその頃、運転免許取得後1年未満だったため、初心者マークを貼って走行していたのだから。(当時は中型免許が無く、普通免許で4t車を運転する事が出来た。)当然すぐに独り立ちとはいかず、同期5人中、自分だけ異例の8ヶ月の教育期間を設けられた。
(当時の教育担当課長には頭が上がらない・・・)

そして、ようやく独り立ちして与えられたバキューム車は私の1つ年下の車両で日野の翼のエンブレム。5MTの油圧ブレーキ、ホースリールや2.5インチのホースも無く、胴巻きの2インチのホースが20m程あるだけだった。ただ余計な装備品がない分、積載量も多く、他の大型車と違いタンクが一層式の為、真空状態になるのが早く素早く廃油を回収出来た。それなりに愛着を持って乗っていたのを憶えている。  (右写真 僕の相棒だった1014号車)

ある日、回収業務を2往復満タンで帰ってきた時に、尊敬する先輩から「おっ、どうしたの?今日頑張ったな」と初めて褒められた。
会社に入って初めて人に認められた気がした。これが本当に嬉しくて「この人にもっと褒められたい。もっとスゲェの見せてやろう」と燃えた。廃油回収の担い手は8人程で全道のエリアを分担、会社のPCで各担当者が個人で廃油をいくら集めたかを棒グラフで見る事が出来た。廃油を集めた分だけ会社に貢献出来る。非常に分かり易かった。当時の私の担当地域は、札幌の豊平区・中央区・南区で比較的狭い敷地での回収が多かった。沢山の廃油を集める為に回収周期を縮め、自分の地区を常に空っぽにする事を意識し、地区関係なく営業部からスポットの案件が来たら、自分が即日出来る様に構えた。また、当時の課長の教えで、出来る限り業務中のお客様に迷惑を掛けない様に、洗車機の前に廃油タンクがあるお客様には洗車客が来ない雨の日を狙って回収行く等の工夫をした。サボりたくなったら自分の頬を叩いて走った。入社2年後には小口の集荷量と回収件数で1番になる事が出来た。
会社に貢献する事で少しずつ自分に自信がついてきた。
入社3年目には営業部に配属された。業務内容に違いはあるものの廃油回収で身についた根拠のない自信みたいなもので「自分なら何とかなるだろう」と思った。営業部でも人に恵まれ、充実した社会人生活を送れた。(少々問題も起こしたが・・・苦笑)その後も様々な部門を経験、来年で入社20年目に入り、現在は油漏えいで汚染された土壌や敷地、建物を原状回復する業務に従事している。
社内でも多様な部署を経験している者はそう多くない。実際、現在従事している業務では建設の知識や資格も必要で、高卒の私でも「一級建設機械施工管理技士」の資格試験に挑戦、つい先日合格した。学生時代に勉強してこなかった私ではあるが、社会人かつ、それなりの年齢になると不合格になる惨めさを味わいたくない一心で勉強に励んだ。
そんな当社は色んな意味で「多様性」な会社だと言える。
何度も言うが、学歴はもちろんのこと年齢、性別、新卒、中途も関係ない。もちろん、健常者、障がい者、高齢者も関係なく、頑張れば誰でも上昇する機会が与えられるのだ。反面、社歴や年功序列な考え方で怠慢に職務に向き合い続けると、気づけば上司と部下、先輩後輩が逆転していることは少なくない。「やったらやった分」が反映されるような仕組みになっているのが当社だ。
そんな37歳になった今の私が、過去の18歳の私に伝えられることがあるとするならば
「その就職と就職先は間違っていないぞ」
「土日、祝日、年末年始含めて今より20個以上も休みが増えてるぞ」
「休みはゴルフ三昧になっているぞ」
今の私がこの先の私自身に伝える未来はどんなことなのだろうか・・・
誰にも未来はわからないが、明るい未来が待っていることを求め、前向きに日々歩みを進めていくのだ。