お知らせ
AIと独自性の戦い
取締役 佐々木リサ
日本人に生まれ、早半世紀以上が経過しているものの、一体自分はしっかりとした日本語を使えているのか?様々な情報が耳や目を通じて脳に入ってくるものを正しい日本語にして表現することは今更ながらに毎回頭を抱える。今、こうしてコラムを作成している時点で「合ってるのか?」と思い、ネットの辞書で確認することも多々ある。加えて、文章の表現方法や言葉遣い、漢字の使い方等を最終チェックし、公開に踏み切るのだ。いまだにこんなアナログでやらず、進化したAIでやるのも一つの手法かもしれないが、まだまだAIには任せられない。それは発信者側の思いの丈が伝わらないのが一番だが、社内での言葉、所謂業界用語、独自性なものも多数あり、それらを判別したり正式に解釈する能力があるとは思えない。そんなことを思いながら、私はある言葉を思い浮かべた。
「ビチマン」
この言葉は、私が入社した約30年前から社内で飛び交い、一日に一回は誰かが発していると思われる。この言葉のはじまりがいつからなのか、当社独特のものなのか、もしくは同業者や他の業界も使っている言葉なのかは不明だが、少なくても当社以外の方や私の友人、知人からは「ん?何?」と必ず聞き返される言葉であるのは言うまでもない。
同じ日本人であっても理解に苦しむ言葉をAIがわかるわけもないと思いながら、一応確認のためにChatGPTに問いてみた。
「ビチマン」という言葉には特定の広く知られた意味はありませんが、闘争によってはスラングや特定のコミュニティで使われる可能性があります。
どこかで見聞きした言葉であれば、その軍事行動を教えていただければ、もっと正確なことはない
・・・まったく、何ひとつ、かすりもしない答えが返ってきた。
では、一体この言葉「ビチマン」の正体は何なのか・・・「びっちり、満タン」という意味である。
【実用例 その1】 廃油回収中のドライバーに電話で追加の回収を依頼した際の会話
「〇〇さんから廃油回収依頼が来てますが、まだ回収可能ですか?」
「いやー、もうタンクがビチマンだから今日は回収無理だわぁ」
【実用例 その2】 車輛の給油状態を確認する際の会話
「〇〇の車にガソリン入れた?」
「うん、ビチマン!」
【実用例 その3】 どこかに駐車しようとした際のつぶやき
「うわっ、ビチマン・・停めれなーい・・」
とにかく、満タン、満車など「びっちびち」で入る隙間もない状態の時に社内で飛び交う言葉なのである。
ふふふっ・・・まさにこれぞChatGPTの勝負に勝った気分である。(社内用語だから当たり前だが・・)
とは言え、「知りません」「わかりません」と返答するのではなく、何らかの答えを返してくるあたりは評価しよう。(かなり上から・・)
2023年11月に渡邉取締役総務部長が掲載したコラム「ChatGPTと循環業のリアル」の記述にも、「大した価値がないレベルの回答に留まっている」とChatGPTへの辛辣な言葉を吐いている。
あれから1年以上が経過している今、AIは確実に進化し続けており、そのスピードは留まることを知らない。
次回掲載するコラムは、その後の循環業の回答が進化しているか否かを検証するため、渡邉取締役総務部長に託そうと思う。