環境開発工業株式会社 Create the Future

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コラム

守り神の矜持

業務部 次長 大平 貴洋

当社には、言い伝えがある。

これを粗末に扱うと悪いことが起こる。はたまた不幸になる。

都市伝説ならぬ当社伝説であり、今や当社の守り神、ご神体的存在になっている。それが「オオヒラ人形」だ。

このご神体のモデルは私。承諾なしに似顔絵が作られ、それが立体化されたものだ。「ゆるキャラ」の扱いではあるが「キモ可愛い」の部類には入らない。認めたくないが私の特徴をとらえており、「似てない」と否定できないクオリティではある。

オオヒラ人形は当社のホームページTOPのムービーのなかにも登場している。なぜだかはわからない。

https://youtu.be/HRqhiBE2jQw

ホームページの中だけではなく、実際の事務所でもフロントラインの窓に鎮座している。冒頭の写真はその姿。皆が無事に帰ってくることを祈っているようだ。
ある時は業務課員のパソコンのデスクトップ画面上でほほ笑んでいる。ここまでくると、ただただいじられているに過ぎない。

そんなオオヒラ人形のモデルである私は配車業務…お客様の廃棄物回収に関わる配車を担当している。営業部が受注してきたお客様の廃棄物回収依頼に基づいて訪問する日時を設定するのだ。円滑に進めるべく、荷姿、量、地域、作業内容等あらゆることを想定して伺う日時を決定していく。そしてこの業務は私自身が担当する回収業務と荷卸しを終わらせてから事務所に戻り発動させるのである。いかに迅速かつ効率的に回収するかがキモ。しかも扱う廃棄物の荷姿も様々、特に連絡をいただかなくても周期を決めて定期的に配車を組み込んでいるお客様もいらっしゃるので、その案件の中に入れ込んでいく等、とにかく頭を使う。例えるなら難解パズルのような業務。そしてこの仕事は並みのメンタル、ガラスのハートでは務まらない。すぐに壊れてしまう。どうやら僕は、ガラスはガラスでも「防弾ガラス」のメンタルのようだ。

私が今の会社に転職してから今年で25年。入社当時は四半世紀も務めるとは思わなかった。我ながらよく頑張ったと思う。
入社当時はマンパワーがメイン。機材もあまり整っておらず、若さという「チカラ技」で乗り越えた。そもそも私が面接で説明を受けた際にはバキュームで廃油を回収する業務ということだったが、入社後に任されたのは、廃油やバキューム車からはかけ離れた業務だった。入社して25年、未だにバキュームには触ったことがない。今後も触ることはない気がする。
入社時には予想だにしなかった現在の私の姿だが、今となっては結果オーライ、僕にはこの配車職務が向いていると思う。なぜなら「防弾ガラス」のハートを持ち合わせているから。でも簡単にハートが防弾ガラス仕様になったわけではない。2002年8月21日に起こった当社の黒歴史を経験したからだと思う。
詳細は、以下をご覧いただきたい。
渡辺コラム「命日」 https://www.kklp.co.jp/1836
中澤コラム「失敗したら改善すればいい」 https://www.kklp.co.jp/2057

当時、僕もこの黒歴史と言われる事態の真っ只中にいた。親、兄弟、親族、友人等、僕の周りにいた人たちに「会社は大丈夫なの?」など優しい言葉をかけてもらいたくさんの心配をかけ、正直、気持ちが揺らぎ、退職も考えた。しかし、そんなことをゆったりと考える余裕もないほど、ただただ我武者羅に働き、心身共に疲弊する毎日が数か月間続いた。

その当時を経験した社員は今も半分以上残っている。僕を含め退職を考えた社員は多数いたはずだ。そしてあの事件があったあとすぐ入社してきた社員も多数存在する。事件を知っているか知らないかは聞かないが、知らないわけがない。何故この時期に当社を選んで入社をするのだろう。チャレンジングな人たちだなぁと正直思った。

そんな黒歴史を経験した人、黒歴史を知りつつ(?)入社した人が集まるのも当社の特徴であり、当時のブラックをホワイトに生まれ変わらせたのもそんな人間の集合体だ。

四半世紀経った今、そんなこともあったなぁと、いい意味でも悪い意味でも思い出せる余裕も生まれた。気が付けばそれなりの役職にもついている。難解パズル的なストレスの多い業務にも就いている。しかし僕は50歳近くになってもなお、何かにつけイジリ倒され、笑いのネタにされる。本人的にはそんなにおかしいことなのかとも思うが、みんなが笑顔でいられるならそれでもいいかと、著作権も要求せず、当社唯一無二のキャラクターのモデルとして、日々過ごしている。我ながら懐が深い。何しろ私は当社の守り神のモデルである。

この先「オオヒラ人形」に続くキャラクターが誕生するのか。いや、僕以上にキャラクターになるほどの際立った個性がある者が存在するとも思えないし、思いたくもない。
だから、この座は誰にも譲らず、これからも窓辺で「ご安全に」をささやき鎮座していく所存である。